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因幡洋いちごちゃん事件

ついにやってしまいましたよね。
書いてしまいましたよね。
毛探偵…。
三月号ネタバレ(※表紙だけ)です。
キャラの口調とか漢字とか違ってたらそっと教えてください…。


※書いてる人は、アニメ放映分しかほぼ知りません。
※緒方×因幡です。
※えろいことはなにもありません。健全です。


おk!という心の広い方は追記からどうぞー。

「洋ー!」
バタン、と事務所のドアが盛大な音を立てて開き、入ってきた人物は事務所のあるじを大声で呼び付けた。事務所ではちょうど引き受けていた仕事がひと段落し(そもそもこの事務所に仕事が来ることはあまり多くないのだが)、見た目だけはかわいらしい助手の一人がお茶を入れてくつろいでいたところだ。
「ドアは静かに開けろよ。壊れたら弁償だからな」
呼ばれた事務所の主人、因幡洋はそちらを一瞥し、人物と手にしたものを確認すると、ずずっと茶をすすった。手にしたもの、ひいてはそのメインとなるものは既に何度も目にしている。
「ドアとか気にしてる場合じゃないよ!見てよ!これ!」
入ってきたのは、こちらも見た目だけは麗しい青年。中身のほうはかなりの難があるのだが。その手にはなにやら分厚いものが抱えられていた。それを見てとった助手……ツッコミのほう……が、やっとこの空間からまともな返事を彼に返した。
「なんですか、緒方さん。わざわざ買ってきたんですか」
圭の返事に青年、緒方はきっとそちらを見据えた。ただし妙に情けない顔になっている。
「買ったよ!買ったに決まってるじゃない!こんな……こんな……!」
本屋にある分全部買いしめてこようかと思ったよ、とずび、と鼻すらすすって緒方は訴えた。
「ただの雑誌だろ、バカじゃねぇの」
そんな緒方に洋ははぁ、とため息をつくともう一口茶をすする。その雑誌、ひいてはその表紙は見あきていた。それどころか、時間が経った今では見るのも妙に恥ずかしくて目をそらしていたいというのに。
「緒方さん、わざわざ買われなくてもこの部屋に来れば見放題だったのに」
「圭っ!余計なこと言うんじゃねぇよ」
「え……?」
圭の言葉に洋が鋭く釘をさし、緒方はその響きにやっと顔を上げた。事務所の中に改めて視線をやる。そして呆気にとられた。
「……」
「優太君が気に入っちゃってさ、いっぱい焼き増しと引き伸ばししたんだよね」
「だって素敵じゃないですか~。あ、あなたに見せるためじゃないんですからじろじろ見ないでくださいよね」
圭の言葉に優太がきゃぁっとかわいらしい声を上げた。直後にどす黒い台詞が続いたが、それは緒方には届かなかったらしい。緒方は呆然とそれに見入っている。
「……」
「黙って見てんじゃねぇよ気持ち悪い」
そんな緒方に洋が椅子からどすっと蹴りを入れる。それがきっかけであったように、緒方がへらりと破顔した。
「かわいいね、痛っ!」
「うるせぇお前に褒められても嬉しくねぇよ!」
その評価にもう一発蹴りが入ったことは言うまでもない。優太がかわいらしい笑みを浮かべながらなにやらぎらりと光るものを手にしているのも、見間違いでは勿論ない。
そこにあるもの。事務所の壁は一面ピンク色で埋め尽くされていた。
勿論壁がピンクに塗られているわけはない。写真が一面に貼られているのだ。それは前述の通り優太が用意し貼りつけたもので。
……大量の洋が壁から視線を向けていた。
「いいなぁ、これ俺にちょうだい」
「あげると思います?」
優太のドスの効いた声も、緒方には届かないらしい。どすどすとその身に洋の蹴りを受けながらも幸せそうに眺めていた。
つまり、こういうことだ。
月刊Gファンタジー3月号の表紙が因幡探偵事務所に依頼された。3月らしく春の植物、いちごを使ったかわいらしいイメージで、ということだったので、モデルとなる人物……勿論主人公である洋……は、大変かわいらしく飾りたてられることになった。
ピンクの服に、いちごとマスコットキャラをあしらい。
髪は部分的なみつあみを入れた上にいちごの髪飾り。
最後には仕上げとばかりにいちごを咥えさせられた。
とはいえ、洋には女装趣味もかわいい格好をする趣味もない。仕事の一環だし、ということで何気なく受けたのだが、表紙になったその写真を洋を敬愛する優太がいたく気に入り、片っ端から焼き増しと引き延ばしを繰り返して事務所の壁を埋め尽くした。
緒方が持ってきたのはその元となった写真の出来上がり……無事表紙となったその雑誌であった。
「それにしても、因幡さんが表紙だってだけで買ったんですか?」
圭が呆れたように尋ねるが、緒方はこくこくと何回も頷いた。
「当たり前だよ!だって!何気なく本屋に行ったら、雑誌コーナーで洋が俺のことを待ってるんだよ!もう心臓が止まるかと思ったよ!俺にはちゃんと聞こえたね、『柚樹、俺のこと買って帰っ……』った!!」
「変な妄想を口にすんな!」
そんな緒方の腰に洋の足蹴りが綺麗に入り、緒方はその場に崩折れた。その手からばさっと雑誌が落ちる。
洋はその雑誌を拾い上げた。そして興味なさそうに表紙の自分の顔を一瞥し……。
次の瞬間。
紙の裂ける大きな音が一瞬鋭く響いた。
「……あー!!」
数秒遅れであがったのは、緒方の絶叫。彼のものである雑誌の表紙は、無残にも大きく裂けていた。綺麗に撮れている洋の顔も、大きな亀裂が入っている。
「なにするんだよー!」
「お前が悪い!」
「なんでさ!」
「なんでも!お前なんか一生雑誌見てろ!」
短い口論のあと言い捨てて、洋は壁から上着を乱暴にひったくった。薄手のシャツの上に羽織る。
「帰る。圭、鍵閉めといてくれよ」
「はいはい。お疲れ様です」
投げ出しておいた鍵と携帯をポケットに突っ込んで、洋は事務所のドアに手をかけた。開ける前に、逆側の壁をちらりと見て鼻を鳴らす。
馬鹿馬鹿しい。
本当に、馬鹿馬鹿しい。
そう思った。
……緒方が雑誌の表紙の自分ばかり見て、少しも生身の自分に構わないのがむかついた、なんて。
「えっえっ洋?なにか怒ってる?」
「怒ってねぇよ来んなバカ」
この鈍感には、全身の毛を差し出されたって言ってやらない。


END.
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