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冬の夜にはマフラーを

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。
今年はまだイベント参加の予定はないんですが、目標は五月です。
スパコミに出られたらいいなと…思っています。
体調の目途がつかないので春コミと夏コミの申し込みは見送りましたが、一般で行けたらいいな!
そんなお知らせをオフラインに出しました。
TOPもやっと更新しました。
今更ですみません。


さて。
今月号ですGファンタジーです。
ある意味とんでも爆弾だった今回。
個人的に少し気になるところがあったので、SSを書いてみました。
相変わらずオズギルだかギルオズだかどっちだかわからない感じです。
勿論今月号のネタバレ前提ですので、未読の方はご注意ください。
大丈夫だよ!という方は追記からどうぞ!



今月号は番外編ー!
オズギルだかブレギルだかヴィンギルだかレイブレだかわからないほど、CPが詰まった内容に見えて仕方なかったです。
私としては、オズを見つめるギルが本当にかわいかったので満足です。
SSは、『ギルが手編みのマフラーをレイムさんに贈っていた』という衝撃の事実より。
そんなこと聞かされたらね、おずさまはねっ!
よろしかったら読んでくださいませ。





*冬の夜にはマフラーを*


パンドラで催された、小さなお茶会。そこで聞いた些細なことが、ずっとオズの心の中に残っていた。小さなしこりのように。
「ギル、手編みのマフラーってどういうこと?」
お茶会を開催していた庭から屋敷に戻る道すがら、尋ねてみる。オズの少し後ろを歩いていたギルバートを振り返って。
ギルバートはその質問にぱちぱちと目を瞬いた。すっかり忘れていたのだろう。彼にとっては些細な出来事なのかもしれない。そのこともオズの心に刺のように刺さった。数秒後にギルバートはオズの質問に思い当ったらしく、納得した顔になる。
「ああ、いつかレイムにあげたんだ。その頃毛糸を編むのが楽しくて……」
その頃読んでいた本に編み物の本があって、試してみたくなって。懐かしそうにそんなふうに話す。ちくちくと胸をさいなむ感情を押し殺しながら、オズは先を続けた。
「ふうん。他にも誰かにあげたの?」
そしてその返答が、今度こそはっきりとした形を持って突き刺さった。
「ああ……ブレイクにも押し付けたな。今となってはあまり思い出したくないんだが……」
「そう……」
よりにもよってブレイクに、と、明確な嫉妬心が芽生えた。自分が不在の十年間、ギルバートにとってブレイクがどれだけ大きい存在だったか、もう知っている。ギルバートを支えてくれていたブレイクに感謝もしているけれど、どうしてもぬぐえない感情。それは、自分の知らないギルバートを知っているブレイクへの嫉妬心だ。
そんなブレイクへ、手編みのマフラーを贈ったという。これが妬かずにいられようか。
「オズ……?」
一言だけ返事をしてそれきり黙ってしまったオズを気遣ったのか、ギルバートが横に並んでこちらを見つめてきた。その視線が今は少し痛い。
ただのプレゼントだ。そんなふうに割り切っているのかもしれない。
しかし、オズがやきもちといえる感情を抱いてしまう理由。自分はギルバートの手編みのマフラーなど、持っていない。たった一つながら、その事実は大きな穴のような気がした。
「あの……いけなかった、か」
理由ははっきりわかっていないのかもしれない。しかしオズの不機嫌を感じ取ったのだろう、ギルバートはおずおずとそう切り出した。
その言葉に胸がちくりと痛む。ギルバートは悪くなんてないのに。こんな、嫉妬なんかしてしまうのは自分勝手な感情のせいなのに。
「んーん。別にそんなことないよ。それより意外だな、ギルが編み物なんて。セーターとか編まないの?」
「セーターはなかなか着る機会もないし、ちょっと複雑だし……」
無理に笑顔を作って、ギルバートに顔を向ける。ギルバートはそれに笑い返して、オズの質問に答えた。
忘れてしまおう、とオズは一人思う。ただの思い出話ではないか。そんなことに嫉妬していたらきりがない。
そう心に決めて、屋敷の廊下を歩いて部屋に入る。今日はもう特にすることもないので、なにか本でも読もうか。なにを読もうか思案しているオズに、ギルバートが唐突に口を開いた。
「何色がいい」
咄嗟に意味がわからなかった。オズの思考は既に切り替わってしまっていたせいで。
色というと、花や装飾品、服?そこまで考えて、まさか、と思いいたる。つまらないやきもちを妬いた自分に、まさか。
「……編んでくれるの?」
問いかけた言葉にギルバートが頷く。神妙な顔をして。
「元々オズのことを考えながら編んでいたんだ。マフラーが長くなるたびに、これを巻いたらあったかいと喜んでくれるだろうか、と嬉しくなって。すぐにでもオズが帰ってきてくれるような気がして。……一人で過ごす夜の、心の拠り所だった」
「……ギル」
心の中に、ぽうっと灯がともる。それはオズの体の端々まで血となって巡り、体を熱くさせた。
本棚に向かっていた体を、ギルバートに向ける。そして手を伸ばした。手袋をつけた、ギルバートの手へと。
「ごめんね、お前を一人にして」
「いいんだ、こうして帰ってきてくれたんだから。オレはそれだけで幸せなんだ」
手に触れて握る。手袋越しに、わずかな熱が伝わってきた。ギルバートは居心地悪そうにしながらも、その手を振り払うことはなかった。
それを許されているのだと受け取って、オズの心に歓喜が溢れた。その心のままに、ギルバートにしがみつく。
「お、オズ」
ギルバートが焦った声を出した。それでも、今はギルバートの温かさをもっと近くで感じたい。一人の冬、感じていた寒さから連れ出すように。
「ありがとう。嬉しい」
感じる体の厚み、心臓の音。そして温かな体温も。
「何色でもいいよ。オレに似合う色、選んで」
「そうか?じゃあ今度毛糸を買いに行こうか」
「うん!」
顔が勝手に綻ぶのがわかった。
ギルバートは優しい。オズの小さな不安も拾い上げて、なくしてくれる。その優しさに甘えて、オズは一つだけ条件をつけた。
「何色でもいいけど、それと同じ色でギルのも作ってね」
今年の冬も寒くなるだろうけれど、世界に二つしかないお揃いのマフラーをつけて、二人あたたかく過ごせるだろう。
その日を夢見てオズはギルバートの懐で微笑んだ。


END.
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